電動工具の歴史
2018年09月05日
☆工具ヘルパー・スタッフコラム
第1回『電動工具の歴史』
皆様、こんにちは!工具ヘルパー・スタッフの一人、栗本です。
先日、直属の上司より「工具ヘルパーのホームページのボリュームをもっと上げよう!!」
と、朗らかに提案されたため(ほんとにいい笑顔でした)スタッフコラムを始めてみようと思った次第です。
日々の営業でのちょっとした出来事から工具に関する豆知識まで幅広いジャンルを取り扱った記事を1日一回投稿予定です。ちょっとした空き時間の暇つぶしにご利用いただけましたら幸いです。
さて、記念すべき第1回コラムの内容はズバリ!「電動工具の歴史」についてです。
そんなに大層な内容は書ける気がしませんのであんまり期待しないでくださいね(笑)
1.世界初の電動工具
皆さんは世界で一番最初に発明された電動工具をご存知でしょうか?
ちなみに産業革命以前の時代では、世界の各地域でそれぞれの必要に応じた機能や大きさの手動工具が使用されていて、統一された基準や規格はなかったそうです。
各地域御用達の鍛冶屋がいて、その鍛冶屋が作っているネジやらボルトやらに合わせた工具が作れていたので、こっちの鍛冶屋で工具を作ってもらうと、あっちの鍛冶屋のボルトにあわないなんてことが当然でした。(現代でもこの風習、続いているように感じるのは私だけ?)
そんな中、産業革命がきっかけで様々な工具や、ボルトやナットといった各部品の「サイズ」が統一されていきます。「サイズ」が統一されることにより、工具を製造することの職人性が失われ、工場での大量生産が可能な製品となりました。
大量生産が可能になれば当然製品の「価格帯」も下がっていきます。価格帯が下がれば「購入層」が拡大していきます。購入層が拡大すれば様々な「ニーズ」が生まれ「品質の向上」につながります。
こうしたスパイラルを経て、現在工具は一般家庭でもありふれた製品となり、広く世の中に普及されているんです。
さて本題。世界で一番最初に発明された電動工具は・・・
「電気ドリル」です!!
1889年にオーストリアのメルボルンでアーサージェームスアーノットとウィリアムブランチブレインという人たちが発明した電気ドリルが世界で一番最初の電動工具であるといわれています。
その後1916年、アメリカのブラック・アンド・デッカー(Black & Decker)社によって私たちが現在使っているトリガースイッチ付の電気ドリルが製造・販売されました。
ちなみに世界初の「丸ノコ」は1924年に、電動ジグソーは1946年に、携帯可能なオービタルサンダーは1951年に誕生しています。
2.日本での普及
日本で電動工具が国産化されたのは1920年代です。大正末期から昭和初期のころですね。その頃は主に工業用として使用されていたので、一般家庭にまで「電動工具」という製品が認知されていたとは言えません。
それからしばらくが経った1950年から60年代にかけて電動工具の品種が急速に多くなり、一般にまで「電動工具」という製品が認知・普及していきます。
日本で電動工具を普及させた最大の功労者は、間違いなくマキタが製造・販売した「電気カンナ」でしょう。
熟練の大工さんが手作業で行ってきたカンナがけを「はやい」「きれい」「簡単」の三拍子で済ませてしまう電気カンナの開発はとても画期的なもので、たちまちのうちに大ヒット!これをきっかけとして様々な手動工具が電動化され、また現場のニーズにこたえるために新たな電動工具が次々と開発・製造・販売されていきます。
3.電動工具の未来
一昔前では考えられないほど、現代では様々な種類の電動工具が販売されており、またそれらの多くがよりコンパクトで軽量化されています。
充電式が普及してコードレス工具が当たり前になり、様々な素材の開発により高耐久が当たり前になり、迅速かつ充実したアフターサービス・サポートが当たり前になり・・・
正直、これ以上電動工具という製品ジャンルにおいて今以上に画期的になる変革なんておこらないんじゃなかろうか?と思っていたのですが・・・
皆さんは「IoT」という言葉をご存じですか?
読み方は「アイ・オー・ティ」。不学な私は本当につい最近この言葉を知りました(笑)
「IoT」は「モノのインターネット」という意味で、Internet of Thingsの略語です。
普段私たちはネットにつながることで遠く離れた見知らぬだれかともコミュニケーションをとることができます。基本的にこれまでのインターネットは「ヒトとヒト」をつなぐために発達してきました。
「IoT」は「ヒトとモノ」「モノとモノ」をつなげようとする技術です。
基本、モノはなにもしゃべりませんよね?彼氏とケンカした八つ当たりにスマホをベッドに叩き付けても、スマホは「痛いなぁ・・・そんな乱暴にあつかうなよ!」なんて言いませんし、出かける前にうっかり玄関のカギを締め忘れたとしても玄関のドアはそれを教えてはくれません。
こうした日々のちょっとした出来事に、モノとコミュニケーションをとれるようになったとしたら、すごく便利で楽しい毎日なると思いませんか?
つまり「IoT」はネットを通じてモノとコミュニケーションをとれるようにしよう!という技術なんです。スマホをベッドに叩き付けたら、そのスマホから「今ので本体の寿命が1年縮まったぞ!」とライン通知がきたり、カギをかけ忘れていたら玄関のドアがメールで知らせてくれたり・・・今のところでは防犯や盗難といった面でのメリットがよくとりあげられているみたいです。
で、この「IoT」という技術、電動工具とはなんの関係性もないように見えるのですが・・・
実はすでに海外の電動工具メーカーから、「IoT」機能搭載の電動工具が販売されてるんです(笑)
「Milwaukee(ミルウォーキー)」という、北米、欧州、オーストラリアマーケットを中心とした、香港TTIグループの電動工具ブランドから、「ONE-KEY™」という名前の機能で発表されています。
ユーザーは自分のスマートフォンに「ONE-KEY™」アプリケーションをダウンロードすれば、無線コントローラが組み込まれスマホに接続された電動工具とクラウド上でのデータのやり取りやスマホとの同期を行うことでより高度な動作制御・工具の管理・適切な在庫管理を実現させることができるんです!
もちろんまだまだ一般に普及されているとは言い難く、日本ではまだお目にかかれないとは思いますが、電動工具の大きな革新は遠い未来のことではなく、すでに起こり始めているんだと想像すると・・・わくわくがとまりません!(笑)
人類が知恵をつかって生活するようになったそのときから、「工具」はいつもすぐそこにある存在でした。
「工具」とは、日々の生活をより快適にするためのもっともありふれた道具であり、人の知恵を形にしたものです。
人が知恵を失わないかぎり、工具の進化はとまらないのかもしれませんね。